🔹はじめに
株式投資において、「この企業は本当に稼げる会社なのか?」を判断するために欠かせない指標があります。
それが ROE(自己資本利益率) です。
本記事では、ROEの意味・計算方法・目安・活用法まで、初心者でも理解できるようにわかりやすく解説します。
🔹ROEとは?企業の“稼ぐ力”を示す指標
ROE(Return On Equity)は、日本語で「自己資本利益率」と呼ばれます。
これは、株主が出資したお金(自己資本)を使って、どれだけ効率よく利益を出しているかを示す指標です。
✅ 計算式
ROE(%)= 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100

たとえば、自己資本が100億円で純利益が10億円なら、
ROE = 10 ÷ 100 × 100 = 10%
となり、「株主から預かった100億円を使って10%の利益を出している」ことを意味します。
🔹ROEの目安
| ROEの水準 | 評価の目安 | コメント |
|---|---|---|
| 5%未満 | 低い | 効率が悪く、資本を活かしきれていない可能性あり |
| 5〜10% | 普通 | 一般的な日本企業の平均レベル |
| 10〜20% | 高い | 資本を上手に活用して利益を上げている |
| 20%以上 | 非常に高い | 業界をリードする高収益企業の水準 |
💡参考:米国企業では15%以上が平均的。日本企業はまだ低めの傾向です。
🔹ROEが高い企業の特徴
- 収益性の高いビジネスモデルを持っている
- 経営効率(コスト管理・在庫回転)が良い
- 株主資本を無駄に増やさず、投資を的確に行っている
- 配当や自社株買いで資本効率を高めている
🔹ROEの注意点
ROEが高ければ必ず良いというわけではありません。
次のようなケースでは注意が必要です。
- 借金(負債)を増やすことで一時的にROEを高く見せている
- 一過性の特別利益で純利益が増えている
- 赤字続きで自己資本が小さくなり、ROEが見かけ上高い
そのため、ROEを見るときは、3〜5年の推移や同業他社との比較が重要です。
🔹PER・PBR・ROEの関係
ROEは、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)と深く関係しています。
✅ Check!
ROE = 1 ÷ PER × PBR
この関係式から、
- ROEが高い企業は、株価が割安でも評価されやすい
- PBRが高くてもROEが高ければ正当化される
といった分析ができます。
🔹ROEを活用した投資判断
ROEは、企業の「資本をどれだけうまく使って利益を出しているか」を示す最重要指標です。
株価の割安さを測るPER・PBRと組み合わせて使うことで、
「効率よく稼いでいる本当に良い企業」を見極めることができます。
🪙 ROEを確認できる証券会社
主要ネット証券では、株価指標としてROEを簡単に確認できます👇
| 証券会社 | 特徴 |
|---|---|
| DMM株 | PER・PBR・配当利回りを同時表示。1株投資対応 |
| moomoo証券 | チャート上でPBR推移を可視化できる |
| SBI証券 | 企業比較・業種平均との比較も可能 |
| 楽天証券 | スマホでもPER・PBRが一目で確認できる |
| 松井証券 | 初心者向けの指標説明が充実しており理解しやすい |
✅ Check!
💡まとめ:ROEが高い企業は“株主思い”な企業
| チェック項目 | 理想の状態 |
|---|---|
| ROE | 10%以上が望ましい |
| 推移 | 毎年安定して上昇 |
| 他社比較 | 業界平均を上回っている |
| 負債依存 | 過剰な借金でない |
ROEは、企業の経営力・効率性・株主還元姿勢を総合的に映す鏡です。
長期投資では、安定して高ROEを維持できる企業を選ぶことが成功の鍵になります。
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