はじめに
FP3級の重要科目「不動産」を初学者向けに解説。登記、賃貸借契約、建築基準法、固定資産税、不動産の価格評価などをわかりやすくまとめました。
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この記事でわかること
- 不動産とは?
- 登記の基礎
- 賃貸借契約について
- 建築基準法について
- 不動産に関する税金について
- 不動産の価格評価について
■ 不動産とは?
「土地およびその定着物」のことで、動かすことができない財産を指します。具体的には、土地、建物、そしてそれらに固定されている樹木や橋などが含まれます。
土地や建物に関する法律・税金・取引の仕組みを学ぶ分野です。
■ 登記の基礎
土地や建物、会社の商号といった財産や事項について、その内容や権利関係を、法務局という役所の公簿に記録し、社会に公示する制度です。
これにより、権利関係を明確にし、取引の安全を守る目的があります。不動産登記と商業・法人登記が代表的な例です。
- 表示登記
不動産(土地や建物)の物理的な状況を記録する登記で、不動産登記簿の「表題部」になされる登記です。
- 所有権保存登記
新築された建物など、登記記録がない不動産について、初めて「所有者が誰か」を登記簿に記録することです。
- 抵当権設定登記
金融機関から融資を受ける際に、その不動産を担保として設定し、法務局に登記することです。
■ 賃貸借契約
貸主(所有者)が物件を貸し、借主が借りて使用・収益する代わりに、借主が貸主に賃料を支払うことを約束する契約です。
- 普通借家契約
一般的なアパートやマンションの賃貸借契約で、契約期間が満了しても借主が希望すれば更新できる契約形態です。
- 定期借家契約
契約期間があらかじめ定められており、契約満了時に更新なしで自動的に終了する賃貸借契約のことです。
- 敷金・礼金・更新料
賃貸契約時に発生する費用です。敷金は家賃滞納や原状回復費用に充当され、退去時に差し引かれた残額が返還される保証金のようなものです。礼金は大家さんへのお礼で、原則返還されません。更新料は契約の更新時に支払うもので、契約期間が満了した際に住み続けるために必要となり、こちらも原則返還されません。
■ 建築基準法
国民の生命、健康、財産を守るため、建築物の敷地、構造、設備、用途に関する最低限の基準を定めた法律です。
地震や火災に対する安全性を確保し、良好な市街地環境を維持することを目的としています。
- 建ぺい率
敷地面積に対する建物の「建築面積(真上から見たときの広さ)」の割合のことです。都市計画によって定められた用途地域ごとに上限が決められており、火災や延焼の防止、日照や通風の確保などを目的としています。建ぺい率が高いほど、敷地に対して建物を広く建てることができます。
- 容積率
敷地面積に対する建物の延床面積の割合です。延床面積とは、1階と2階など、各階の床面積を合計したものです。敷地面積に対する建物の大きさ(3次元的な空間)を制限するルールで、用途地域ごとに上限が定められています。
- 用途地域
都市計画で定められた、建てられる建物の種類や規模を制限する地域の区分です。これにより、住宅地には工場やパチンコ店などが無秩序に混在するのを防ぎます。
■ 不動産に関する税金
- 固定資産税
毎年1月1日時点の所有者に課税。
固定資産税は、土地、家屋、償却資産(事業用の資産)などの固定資産の所有者に対して、毎年課される地方税です。
- 不動産取得税
購入時に一度だけ課税。
土地や建物などの不動産を取得した際に一度だけ課せられる地方税です。
- 登録免許税
登記手続きの際に必要。
不動産の登記(所有権移転や抵当権設定など)や会社・法人等の登記、あるいは特許・免許の登録といった行政機関等への「登録」や「免許」を受ける際に課税される税金です。
■ 不動産の価格評価
- 原価法
対象の不動産を、現在新たに取得・再建するとしたらどれくらいの費用がかかるか(再調達原価)を計算し、そこから減価修正(建物の老朽化などによる価値の低下を差し引くこと)を行った上で価格を算出する方法です。この方法で求められた価格は「積算価格」と呼ばれます。
- 取引事例比較法
類似する過去の「取引事例」の価格を参考に、評価対象となる不動産の価格を算出する方法です。
- 収益還元法
将来生み出す収益の現在価値から不動産の価格を求める評価方法です。家賃収入などの年間純収益を還元利回り(キャップレート)で割って、収益価格を算出します。この方法は、収益性を重視するため、賃貸物件や商業施設など、将来の収益が見込まれる不動産鑑定でよく用いられます。
■ まとめ
不動産分野は用語が多いですが、出題の難易度は基本レベルです。
表などで整理すると覚えやすいかと思います。
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